普段は陶磁器に色絵技法を用いた陶板や食器の制作を行っています。今回、陶器とは異なった素材感を持つ漆の伝統工芸士である斉藤慎二さんとコラボレーションさせていただきました。漆の知識が全くなかったため、工房を訪ねた際にさまざまな種類のサンプルを見せていただき、その中から彩度の高い自身の作風と相性がいいなと感じた“変わり塗り”という技法を陶器の生地の上に施していただきました。色鮮やかな色絵と陶磁器にはない漆ならではの色の深みや質感とあわせることで、今までにない雰囲気が表現できたと思います。今回のプロジェクトでは、今後の制作への可能性や取り組み方など改めて考えさせられるとても貴重な機会となりました。