とやまの技 VOL.02
嶋モデリング
原型製作/高岡市西藤平蔵

職人技とデジタル技術を融合
繊細なものづくりにニーズ

鋳造に使用する木型の製作で高岡の銅器産業を支えてきた。2代目の嶋光太郎代表が約25年前にNC工作機を先駆けて導入し、職人技とデジタル工作機のコンビネーションで高度なニーズに応えている。今では銅器製品に限らず、文化財のレプリカ製作をはじめ、アニメなどのキャラクター・フィギュアやジュエリーの原型製作から、人気テーマパークの内装部材や展示物なども手掛けている。国宝・薬師寺東塔の解体修理では、伝統工芸高岡銅器振興協同組合が携わった塔最上部の「水煙」復元プロジェクトに参画し、三次元スキャナーで測定したデータをもとに原型を製作した。

「デジタル化された機械も鑿(ノミ)や彫刻刀と同じ道具の一つ。求められる精度や効率などを踏まえ、どの工程を手でやり、機械でやるのかをケースバイケースで考えている」(嶋代表)。

ある時は動物のイラストから立体模型を作り、スキャンしてデータ化。これを縮小して7mmのジュエリー原型を仕上げた。逆に仏像を段階的に拡大し、7mの像にしたことも。いずれも印象を左右する微妙な調整を職人が担った。フィギュアの原型製作も細部の作り込みには手技が欠かせない。
「感性に訴える分野において職人技の価値が失われることはない。デジタル技術との融合を試みながら、ものづくりに取り組む人たちをサポートしていきたい」。

嶋モデリング
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